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傾聴の手引き5

2013年10月27日発行
北海道総合福祉研究センター理事長 五十嵐教行・事務局長 池田ひろみ 著
A5判79ページ 定価650円(消費税込み)
※第4回全道傾聴フォーラムの基調講演に加筆しております

【タイトル】

「気持ちの良い会話をするために」

【目次】

第1部 気持ちの良い会話をするために

  1. 一番わかり合いたいのは、親子の関係
  2. 気持ちが良いとは、どういうことか
  3. 気持ちが良くなるための要素
  4. 気持ちが良くならない話し方・聴き方
  5. 気持ちの良い話し方と聴き方について
  6. 気持ちをガラリと変えてくれる力
第2部 コミュニケーションと地域福祉
  1. “感じがいいなぁ”とか“悪いなぁ”といった感覚
  2. 「こんにちは」から始める地域福祉
  3. 認知症の人の徘徊への対応
  4. 声かけから始めるコミュニケーション
第3部 心を穏やかにする傾聴-介護の場面について考える-
  1. 周りの人は「配慮」から、疎遠になりがち
  2. 自分の気持ちをコントロールすることが難しい
  3. 「傾聴」が求められる理由
  4. 頼み事をする時のためらう気持ちを理解したい
  5. たった一人、頼りにできる人がいてくれさえすれば
  6. 「聴く」ときには、気持ち羅スイッチを入れてみる
  7. 聴いた後で、こちらの気持ちや事情を伝えてみる
  8. 本当の気持ちはなかなか言い出せないもの
  9. 気持ちを受け止めることの大切さ
  10. 結論付けをしないで聴いてみる
  11. 励ましたい気持ちを抑えて、聴いてみる
  12. 相手の言葉を否定しないで聴いてみる
  13. 受け止めた後で、自分の気持ちを伝えてみる
  14. “今”の気持ちは、これまでとは違っているかも
  15. “今”の気持ちをしっかりと聴いてみる
  16. 「聴かせて」と思う心持ちを大切にしたい
  17. わかりあえる会話は、心を穏やかにする
  18. 「傾聴」とは、ずっと応援して寄り添うこと
  19. 終わりに

【本文より】

第1部 「気持ちの良い会話をするために」

1. 一番わかり合いたいのは、親子の関係

私たちは生活していく上でいろいろなことを求めています。
他者との関わりを全く持たないで暮らしていくことがあったとしても、自分がどのように生きてきたか、どのように生きていきたいかということを誰にも知られないで終わってしまうことは避けたいと願っています。人生のなんたるかを言いたいのではありません。日々の暮らしの中であったささやかなことについて誰かに伝えて、そして共有して欲しいと願っているということなのです。ほんの小さいことだけど、それについて自分がどう感じたかということを誰かにわかってもらいたいなあと願っているということです。そして、この自分も誰かのことをわかりたいと願っているのです。「人の話を聴く」「聴きたい」ということの奥のと頃には、このような思いがあります。

それでは、“わかって欲しい誰か”とは誰のことを指してるのでしょう。また“わかりたいと願っている誰か”とは誰のことを指しているのでしょうか。  

おそらく一番わかり合いたいと願っているのは、親と子の二者なのではないかと思います。その親子の中でも、特に子が強く願うのは母とのわかり合いだろうと思います。父親の存在を軽くみているわけではありません。「わかって欲しい」と願った時に、多くの人の頭をよぎるのは母親の顔のようです。父親は、その時のサポート役としてよぎっているようです。つまり、父親には、母と子がきちんと会話ができるようにサポートをしてほしいと願っているのでしょう。  

現代社会はストレスを感じさせられることがとても多くて、多くの人がイライラしています。そしてそのイライラを誰かにぶつけてしまいがちであります。なぜ、イライラする人が多いのでしょうか。それは、自分の言いたいことをキチンと聴いてくれる人がいないからです。皆、自分のことを先に言いたいのです。誰かの話を聴く前に、自分の話を聴かせたくなってしまっているのです。その結果、相手の声よりも大きい声を出し、そしてその言い方も強くなっていきます。とにかく相手を黙らせて自分の話を聴かせなければならないのです。「いいから、まず黙って聴け!」と相手を制するような言い方をしてみたり、「まず聴いてよ、お願い、聴いて聴いて」と相手にスキを与えないような言い方など様々です。

聴かされる方は、自分だって言いたいのだけれども、その場では負けてしまったので、黙って聞くしかありません。しかし聴きたくはないので、早く終わらないかなあなどと考えたり他のことを考えたりして終わるのをまちます。まるで、それは“聴く”というよりも、その場でじっとしているという修行のようであります。荒修行に耐えていると感じている人もいることでしょう。自分に聴く気がないのにつきあわなければならないのはつらいことです。話をしている方だって、せっかく話ができているはずなのに、相手に聴く気がないから満足度が高まりません。むしろつらくなってきているかもしれません。少なくとも双方ともに幸せ気分からはほど遠くなっています。こういうことがさらにイライラを募らせる原因になるものと思います。

ですから、傾聴という「ちゃんと聴くよ」という姿勢を見せることが、イライラしている多くの人を救うことになるのです。

子どもは学校でイヤなことがあって、苦しんで帰ってきます。
かなり悲観的になっているハズです。そんな自分をお母さんはいつもと変わらずに、自分の話を聴いてくれると思えるだけで、救われた気分になります。イヤなことがあったとわざわざ話さなくても、なんとなく分かってくれるかなあと思えることで、楽になったような気がするのです。そんな関係をお母さんに子どもは求めていると考えます。お母さん一人が自分のことをわかってくれたら、それでもう十分だと思います。勇気が湧いてくる人もいるでしょう。お母さんの力は偉大だと言えそうです。

第3部 「心を穏やかにする傾聴」 -介護の場面について考える-

1. 周りの人は「配慮」から、疎遠になりがち

ひとたび家族の誰かに介護が必要となったとき、私たちの生活はどのように変化していくのでしょうか。例えば、知り合いの人が家族の介護をすることになったと知った場合、私たちはその人とのつきあいをそれまでと同じようにしていくでしょうか。このことについて考えてみたいと思います。

もしも筆者の友人がご家族の介護をすることになったとしますと、筆者としてはその人の家に遊びに行くことをためらいます。さらにその人を外出に誘うこともためらいます。そして電話を掛けることも、極力回数を減らしていくのではないかと思います。それは、たいていの場合きっと忙しいに違いないから気を遣わせると申し訳ないからという「心遣い」や「配慮」から来る遠慮があるからです。

もしも家族の誰かが介護を必要とするようになったら、このような友人や知人たちが遠慮をした結果、家の人たちは家族以外の人との交流が極端に減ってしまうことになります。友人たちが遊びに訪れることがなくなり、そして友人との楽しみであった外出の機会が極端に減っていくのです。電話をうけることも少なくなります。気がつくと、家の人たちは、四六時中介護をしたりされたりするばかりの、気分転換のしにくい生活に変わってしまうのです。

【ご購入について】

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